行ってきましたガンズのジャパン・ツアー最終公演。もう・・・とんでもなかったっす。「チャイデモ」が永遠に出ないことに対する不満も、現在の「アクセル&バックバンド」的な状態に対する不安も、「開場からもう4時間も立ちっぱなしですがないったいいつになったら出てきやがるつもりなんでございますか?」という怒りと疲れも、全てが始まった途端に吹っ飛んで。
バンドだけではなく、多くの曲を完璧に歌いまくるオーディエンスも一体となって生まれてくる、あの異様なエネルギーはなんなのか? これは単に「アクセルの声が出ていた、よく動いていた」なんてことではとても説明できないもの。もしかしたら、彼らが長い間アルバムを出していないことが、夭逝したアーティストの作品や存在価値がいつまでたっても保たれたままなのと同じような効果をあげているのかなと思ったりもしましたが、それじゃあ現在の姿を見た瞬間に幻は消滅するはずだし、うーん、わからん。とにかく、「ガンズというバンドは世の中の常識の埒外に存在する」としか思えませんでした。
「どうせもう終わってるバンドやろ?」とか「だた懐メロを聞かすだけやん」なんて思って今回の来日を見逃した皆さん、残念でした。彼らが過去に作り上げた魔法は今も間違いなく、強力に存在しておりました。もちろん、寄せ集め的なバンドの現状を肯定する気にはなれないとか、生で聞くとかなり良かったものの、「チャイデモ」からの曲はあきらかに過去の作品群よりは劣る等、問題点も少なからずありました。それでも、それでも「奇跡の来日」なんてしょうもない宣伝文句が、誇大だとはとても思えないような一夜でした。
しかーし、アルバムを出して、また来日したら見に行くか? と聞かれたら非常に悩みます。だって、とてつもなく素晴らしいかわりに、とてつもなくしんどいんですよ。もう体力的に自信無いです・・・・
昨日のライブを見て、私が気に入った順に3人のギタリストにランクをつけたら(←えらそうでスマン)
1位は、ソロコーナーでは松井のユニフォームを着てゴジラのテーマを弾いたり、"Rocket Queen"の時には、ウルトラマンのマスクをかぶってスペシウム光線のポーズまで披露してくれたロン・サール。もちろんサービス精神だけでなく、最も独自のカラーを感じさせてくれたから。
2位はリチャード・フォータス。とにかく"You Could Be Mine"のイントロのプレイっぷりが最高!ソロコーナーでのジェフ・ベックみたいな指弾きも最高。でもねえ、どっちかというとアクセルのとなりよりもスコット・ウェイランドのとなりのほうが(ファッションの部分も含めて)絶対似合う感じ。だからスラッシュとトレードしてくれ、あっ、一対一じゃ無理かなんてことを考えたり。
3位はロビン・フィンク。ずっとレスポール弾いてるのに、何故スラッシュみたいな太い音が出せないんだ・・・・・・こういう評価は全くフェアではないですね。ロビン・フィンクが最も「スラッシュ的な部分」を担当しているからどうしても比較してしまうわけで。ロン・サールなんていわば「バケツ頭の後釜」ですから、自由度が多くてあたりまえか。
それでも3人が順番にソロを弾いた"November Rain"でもやっぱりロン・サールが一番だったし、今後の課題はやっぱり「いかにスラッシュの影を感じさせないか」ってことかな。それにしてもやっぱりスラッシュは偉大なギタリストだと改めて感じましたね。3人がかりでやっとだもんなあ。スラッシュ在籍時代のライブ、見たかったなあ。