『死の舞踏』でキングが褒め倒している作品。幽霊屋敷ものの最高傑作と目されている作品でもある。2度映画化されているので、それをご覧になった方も多いだろう。
さて、正直に告白すると、私はこの小説が苦手だ。キングの即物的な作風に慣れ過ぎてしまったせいなのか、関西人のいらち(短気)さが災いするのか、思わせぶりな雰囲気に、読んでいる間ずっと神経が逆立って落ち着かない。特にエレーナに対しては、怒り以外の感情を抱くことが困難だ。質の高さは理解できるのに、それを楽しめない自分自身に一番苛立ちを感じているのかも知れない。
この作品のように、読む人によって様々な解釈が成立するような小説を、何度も繰り返し読んでは、じっくりと楽しむのが「大人の読書家」だというイメージが、私にはある。それは「ガキ」の私にはまだ手の届かない境地に思える。けれど、スタンリイ・エリンの「決断の時」が楽しめるようになった(初めて読んだ時は結末がないことに怒りまくった)のだから、いつかはきっと・・・。
あと2,3年ぐらい経ったら、4度目の再読にかかろうか。