カール・ハイアセンがYA向けに書いた作品。舞台はフロリダ。主人公の少年ロイは、転校生の常でいじめられている。ある日スクールバスの車窓から、裸足で町を駆け抜ける少年を見かけた。彼を探すロイは、やがてパンケーキのチェーン店建設予定地に、アナホリフクロウが住んでいることを知る。
ストーリー自体はありがちな感じだけれど、ユニークという形容では物足りないぐらいの個性的なキャラクターと、ひねったユーモアのおかげで他の作品とは一線を画す出来になっている。以前紹介した『チョコレート・アンダーグラウンド』あたりとは、もう「格」が違うという感じだ。ハイアセンの描くキャラクターって、どうしてあんなに生き生きしているのか不思議なくらい。
この本の対象年齢の子供たちはもちろん、大人たちにも是非読んで欲しい。そしてこの作品から、彼のように自分の主張をストレートにぶつけるのではなく、ユーモアに包んでスマートに提示する術を学んで欲しいと思う。傑作。 2/2
HOOT