これぞミステリー ハメット賞受賞作!!
手に汗握る犯罪小説であると同時に、ひりつくほど切ない恋愛小説
全米一、銀行強盗発生率の高い街であるボストン郊外のチャールズタウン。ここでは強盗は誇り高き家業だ。そんな街で生まれ育ったダグは、幼なじみを率いて、現金強奪をすることに何の疑問も抱いていなかった。だが、ある銀行襲撃をきっかけに、何かが変わった――銀行の女性支店長クレアに恋をしてしまったらしい。
深入りできない苦しい恋に悩みながら、次の襲撃の準備を進めるダグ。一方、FBIは着々とダグたち一味に捜査の手を伸ばしていた。
加害者と被害者、追う者と追われる者が、クレアを軸にして出会ったとき……。
巧みな人物描写とプロットで読ませる、傑作ミステリー!
キングのコメント「友情、清らかな愛、そしてちりばめられたサスペンスの物語を生き生きと作り上げた期待を裏切らない小説」
「ザ・ストレイン」流れで読んだこの作品、ありがちな犯罪者と捜査官の対決に恋のさや当てを盛りこんだ一ひねりあるストーリーと、幼馴染の強盗団を中心に描かれる街の姿が魅力的。でもその二つの要素が完全には表現しきれていないのが残念。フローリー捜査官がもっとクセのあるキャラクターだったら、あるいはもう少し長くても良かったのでは。
キングファンとしては、この4人組の幼馴染の強盗団に『スタンド・バイ・ミー』の4人を重ね合わせるという楽しみ方もありかも。
映画化もされていて、「ザ・タウン」というタイトルで近日公開。非常に映画向き(というか映画化狙いがあからさま過ぎ?)なので楽しみ、でもキャストが若干イメージと違う。クレア地味じゃないですか?
ザ・タウン