ひとつの作品の中で、ミステリー=合理的な要素とホラー=超自然的な要素が両立することは滅多にない。だからそんな滅多にない作品に出会うととても嬉しい。
本書は講談社の「かつて子どもだったあなたと少年少女のための」゛ミステリーランド゛の中の一冊。跡継ぎ問題に絡む事件と座敷童子の謎-子どもが一人増えているのにそれが誰だか判らない!-が相互に関連し、ミステリーとしても本格的だし、子供の好きなちょっと怪談めいた雰囲気もあるし、おまけにそれほど押し付けがましくない教訓もあって、このシリーズに求められる要素の全てを、非常に高いレベルで満たしているように思う。
十二国記も読んでみようかな。