前作の『しゃばけ』が面白かったので、これは文庫になるのを待って買おうと思っていたのに・・・がまんできずに図書館で借りてしまいました。
病弱な若だんなと、彼をとりまく妖怪たちの活躍、やりとりのおかしさは前作同様だけど、ミステリー的な要素が後退し、ぐっと人情味が強くなってきた。脇役を中心とした作品に光るものがあり、腹違いで若だんなとは天と地ほど境遇の違う兄の葛藤を描いた「空のビードロ」と、切ない「仁吉の思い人」には思わずホロリ。若だんなも少し成長して、今後の展開が楽しみに。こんなに楽しませてもらってるんだから「ねこのばば」ぐらいは買わないといかんな。