新婚旅行でフロリダへ来て、妻をほったらかしてハリケーンの被災地のビデオ撮影に夢中になる夫、ハリケーン被害の保険金詐欺をたくらむ女と、そのパートナーの顎が歪んだ男。飛行機事故の保険金で悠々と暮らし、頭蓋骨でジャグリングをするのが趣味の男、元州知事で今はホームレスの男、いんちきセールスマンにいんちき建築監視員等々、登場人物の9割がたはクレイジーなとんでもない小説。ユニークなキャラクターと個々のエピソードは最高に面白いけど、そのぶん全体的にはやや散漫な印象。それとも、こんなめちゃくちゃな話をよくここまでまとめたとほめるべきか?
これを読んでいたら「マイアミなんぞにゃ絶対行きたくない」という気持ちになるので、ハイアセンの目論見は大成功ってことになるな。