「ほめる教育」は動物に芸を仕込むのと同じで、指示待ち、周りの評価や報酬を気にする人間を生み、教育本来の目的である自立の支援には大きなマイナスである - 大雑把にまとめるとこんなところかな。
この手の本にありがちな極端さを割り引いて考えてみると、「ほめる教育」の背景にはコミュニケーションの変化があるのかなと思ったり。私が子どもの頃は親にしろ教師にしろ、単純に子どもを誉めそやすなんてことはなかった。それでも、言葉はなくても認められている場合にはなんとなくそれが伝わったものだ。ところが最近は「グローバリゼーション」とやらの影響なのか、「言葉にしないと伝わらない」という雰囲気があるようで、それで教育にかかわらず、安易な対処法として「ほめる」ことが多くなっているのかもしれない。怒るよりほめる方がエネルギーいらんしね。
あと、言いたいことはわかるけど「アモーレ情熱」とか「インタラクティブ型支援/子育て」とか、読んでいて気持ち悪い言葉使いはやめて欲しい。センス悪すぎ。センス悪いと言えばタイトルもそう。編集者に「新書はタイトルですよ」なんてそそのかされたのがミエミエ。